安静にしているのに良くならない・・・

──そんな時に、鍼灸ができること。

病院で「しばらく安静にしてくださいね」と言われて、真面目に安静にしているのに、なかなか体調がよくならない。

そんな経験をされたことはありませんか?

めまいや耳鳴り、体のだるさ、自律神経の乱れなど──。

「動かない方がいいのかな」「寝ていた方が早く治るのかな」と迷いながら、心も体も落ち着かない日々を過ごしている方は少なくありません。

でも実は、“安静”の時間が長く続くことで、体の筋肉がこわばって血の巡りが滞り、かえって回復が遅くなることがあります。

とくに肩や背中、首まわりは、寝ている間も重力の影響で緊張しやすい場所。

動かないことでますます硬くなり、血流が悪くなると、めまいや倦怠感、気分の落ち込みが抜けにくくなってしまうのです。

そんな時に、鍼灸がそっと背中を押してくれることがあります。

鍼灸は「がんばらずに整える」治療

人間が持つ本来の状態に戻す力、ホメオスタシスという治す力を利用して無理をせずに回復をサポートしていくことが鍼灸の出来ることです。

施術ではまず、寝ていて硬くなってしまった肩や背中のこりをやわらげることから始めます。

鍼を打つことで血流が促され、酸素や栄養が行き渡りやすくなり、滞っていた体がじんわりと温まっていくのがわかります。

「久しぶりに深く呼吸ができた」

「体の力が抜けて、気持ちまで軽くなった」

そんな声をいただくことが多いのも、このタイミングです。

こりが取れると、体がゆるむだけでなく、自律神経のバランスも整っていきます。

呼吸が深くなり、血流がめぐることで脳や内臓にも酸素が届きやすくなり、自然と眠りの質が良くなる。

「夜よく眠れるようになった」「家で過ごしていてもソワソワしなくなった」といった変化が少しずつ現れてきます。

鍼灸の良さは、症状だけを追うのではなく、体全体を“回復しやすい状態”に整えるところにあります。

薬のように症状を一時的に抑えるのではなく、眠っている間の血流や神経の働きを整え、体のリズムを戻していく。

それが、鍼灸が“静かに効いていく”といわれる理由です。

安心して話せる場所があることの大切さ

鍼灸院では、体のケアだけでなく、心の安心を取り戻す時間もとても大切にしています。

体調が悪いとき、「つらい」と口に出すことが難しくなる方が多いです。

家族や友人に話しても「努力が足りないんじゃない?」「気の持ちようでしょ」と言われてしまったり、逆に心配をかけたくなくて我慢してしまったり。

中には、「体調の話をすると家族があからさまに不機嫌になるから、もう何も言わないようにしている」という方もいらっしゃいます。

そういう時こそ、鍼灸院のような安心して話せる場所が必要なのだと思います。

私たち鍼灸師は、体の痛みや不調だけでなく、その背景にある思いや生活の変化にも耳を傾けます。

話すことで少し気持ちが軽くなったり、「わかってもらえた」と感じられるだけで、体のこわばりがふっとゆるむことがあります。

安心して話せる時間は、それ自体が心の治療です。

「ここでは安心して話せる」「自分の体のことをちゃんと聴いてもらえる」

その安心感が、体の回復をそっと後押ししてくれるのです。

体も心もがんばり続けてきた方にとって、鍼灸の時間は**“我慢しなくてもいい場所”**。

静かな空間の中で、自分を大切にする時間を取り戻すことができます。

体調が優れないときこそ、ひとりで抱えこまずに、どうぞ安心してお話しにいらしてください。

鍼灸は、痛みを取るだけでなく、あなたの心と体がまた穏やかに暮らせるようになるための道すじを整えていくものです。そんな風に月花に来て思ってもらえると嬉しいですね。

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