
去る10月3日(土)、もはや毎年の通例行事のようになっている新城市の鳳来寺山で行われる山伏修行体験に参加してきました。
2021年に初めて愛知県で行場を開いた渡辺清乃さん、昨年までは羽黒山伏の大聖である星野文紘先達を山形からお迎えして修行を斎行していましたが今年からは渡辺清乃さんが先達として私たちを率いて修行を行いました。
修行は無言行であり、どんなことをするのか口外してはいけないのがお約束ごと。
修行は無言行であることと、発して良い言葉は各所で行われる祈りの祝詞やお経以外は「うけたもう」の一言だけ。
5度目の修行も当たり前ですが、そこは変わりません。

私は運動が苦手、体力もないし、5回参加したからとて、相変わらず、足手纏いであることには変わりないのですが、もう私にとっては参加しないことは考えられない。そんな修行です。
普段、鍼灸師として患者さんと向き合うことが仕事。
ありのままを受け止めることが私の仕事だと思っています。
が、修行のときは私自身が、今の私のあるがままを受け止める。それを問われるそんな時間だと思っています。
修行はつらそう、なんで参加しているの?と不思議がられることも正直多いです。
5年前参加することが怖くて、不安鹿なくて、行きの電車の中で吐きそうに緊張したことを思い出します。
でも、毎年参加しているからこそわかることがあります。
毎回同じ山はないということ、同じ山を登り同じように入り、毎回ヒーヒー言っているのにもういいとはならない。不思議です。
山伏修行は擬死再生を目的として行われます。山に入り一度死んで魂が生き返ること。
私はこの五回の間5回死んで、5回生まれたことになります。
今年は5度目ということもあり、なんとなく節目のような感覚が私自身の中にありました。
自分の内側の変化をじっと受け止めるようなそんな感覚がありました。
私自身の変化を一歩ずつ確認するように進む時間でした。今年は山伏修行のために定期的にピラティスにも通い、ずいぶん体幹が鍛えられたはずなのに、1400段ある石段を登り続けていくうちにどんどん苦しくなる。それでも構わずに進み続ける。
でも進めばいつか終わる。そう自分に言い聞かせながら、止まりながらも必死に足を進めます。

途中途中で祈りを捧げる時に呼吸を整え、心を整える。
そんな感覚があります。これは初めての時から変わらず、祈りを捧げること、自然や修行している仲間と一体化していくように感じながら、祝詞を唱える間に荒い呼吸が収まるのが毎回不思議です。
全身汗だくで、もしかしたら熱中症?と思うくらい頭が痛くなったりしますが、そんなこと気にしている場合ではない、そんな感じでした。

出発するときの私と、満行した後の私。
我ながらいい顔していると思います。
今回は後半両足のふくらはぎが攣って、そのまま階段を登ったせいか、5日経ってもなかなか筋肉痛が治りませんでした。
自分で打った鍼は見事な内出血になったのに、魂は生まれ変わるが、肉体はそのままだということを毎年噛み締める修行です。笑

修行が終わって、今年も1番大きいイベントが終わったような気持ちです。
今年は出羽三山で正式な山伏修行をしている方も多く参加されていて、山の中に響き渡る法螺貝の音にもうっとりするような感覚がありました。
自然の中で、人里から離れて、体力のない弱音ばかりはく自分の体と向き合いながら、でも魂の内側から湧き出てくるようなキラキラしたものを私はまだどう表現したらいいのか分かりません。
修行は辛いものだと昔の私は思っていましたが、今は少し違います。
大変なんだけど、辛くないのです、私の内側から湧き上がるワクワクやキラキラや涙が止まらなくなるような感動が自分の体を支配する感覚。
私は辛いことをして何かを得るために修行をしているのではなく、私の内側奥底にある私の魂が喜ぶことをしているのだとそう感じます。
今年の修行を一言でいうと「最高」でした。そして、きっと来年も私は鳳来寺山に修行に来るでしょう。それでいいと思っています。そう出来るようにまたピラティスを頑張りながら、その時の私が必要なことに気づくために生きるのだと思います。
私がこの修行にいくことになったのは渡辺清乃さんが一冊の本を出版され、それを読んだところから始まりました。修行は読んでも分かるものではない、自分で体験した人しか分からない体験。だから、修行に参加するしかない。

勇気を振り絞って参加した初めての修行から5回目を迎えたことを心から嬉しく、そして、参加できているのは渡辺清乃さんを始め、この修行を催行する上でスタッフがいてくれたから。
先達、先達助手、スタッフの方が私を「うけたもう」してくれたらから、私は自分の魂が望むことを出来ている。そう思うと自然と感謝の心が湧き上がります。
これが本当に嬉しい。
まだまだ、成長というには恥ずかしくなるくらい、足手纏いの私ですが、修行していつもピカピカな魂と一緒にワクワクしながら毎日を過ごせることが嬉しくてたまらないのです。
https://dewasanzan-horaiko.jp/
こちらでも修行の様子が描かれています。
もし私のこの拙い文章を読んで山伏に興味を持った方がいらっしゃったら、ぜひ来年ご一緒しませんか?

