8周年を迎えて思うこと

― 私は治療だけをしていたのではなく、患者さんと一緒に時間を積み重ねてもらっていたのかもしれません

気づけば、はり灸サロン月花は8周年を迎えることができました。いつも本当にありがとうございます。
毎年この時期になると、感謝の言葉を書いている気がします。
あっという間の8年でした。途中コロナがあってどうなるのか不安になったりもしました。
あの3年間はまだ開業したばかりであっという間に過ぎていたようにも感じます。
今年も近所の通りの大寒桜の並木道の桜を愛でながらこの日が近づくのを感じていました。
特に今年は、「ありがとうございます」だけでは足りない気がしています。
8年という時間を振り返っていた時に思ったことがありました。

私はずっと、「お客様のために何ができるだろう」と考えながら治療をしてきました。

どうしたらもっと楽になってもらえるか。
どうしたら安心してもらえるか。
どうしたら笑顔で帰ってもらえるか。

そんなことを考えながら、一人ひとりと向き合ってきたつもりでした。
でも8年経った今、少し違う景色が見えています。
私が治療していたというより、一緒に時間を積み重ねてもらっていたのかもしれない。

そんなふうに感じています。
私は患者さまの症状だけを覚えているわけではありません。

肩こりがあったとか、

眠れなかったとか、

生理前がつらかったとか、

もちろんそれも覚えています。でも、それ以上に覚えているものがあります。
仕事が苦しくて、どうしていいか分からなかった時。
「もう限界です」と笑いながら話してくれた時。
転職を迷っていた時。子育てに必死だった時。大切な人とのことで悩んでいた時。ただ静かな時間が欲しかった時。そういう瞬間です。

鍼をしたことよりも、帰る時の少しやわらいだ表情の方を覚えていることがあります。

「なんか今日来て良かったです」

そう言ってくださった言葉を、不意に思い出すことがあります。
患者さまは、自分では気づいていないことも多いのですが、来院された時と帰る時で、空気が少し変わることがあります。

肩の力が抜けたり、

呼吸が深くなったり、

表情が柔らかくなったり。

その小さな変化を見るたびに、

私は「良かった」と思っていました。でもきっと、その「良かった」は私だけのものではありませんでした。

私は支える側のつもりでいました。

でも振り返ってみると、支えられていたことの方が多かったのかもしれません。
信じて通ってくださったこと。
体のことを任せてくださったこと。
時には人生の話までしてくださったこと。
「また来ます」そう言ってくださること。

当たり前のように見えるその一つひとつが、私にはすごく大きなことでした。
一人でやっている小さなサロンだからこそ、一人ひとりとの時間は本当に大きな存在です。きっと8周年というのは、私が8年頑張った日ではなくて、皆さんと8年分の時間を積み重ねてもらった日なんだと思います。

丁寧に生きたい。
丁寧に体と向き合いたい。

そう思っている方が月花には多い気がしています。
でも丁寧に生きるって、全部を完璧にすることではないと思っています。頑張れない日があることも。疲れて何もできない日があることも。
誰かに頼りたくなる日があることも。
全部含めて、自分を大切にすることなのかもしれません。

だからこれからも、「ここに来ると少し力が抜ける」そんな場所でありたいと思っています。

疲れた時に思い出してもらえる場所。自分を後回しにし続けた時に、「少し休もう」と思える場所。
そんな場所を、丁寧に育てていきたいです。
いつもお越しいただくお客様、本当にありがとうございます。
また、以前来ていたけどふと思い出して来ていただく、そんなお客様も増えました。
それもまた、とてもとても嬉しいです。辛い時に思い出して行きたい場所があること。
それは私が体調を崩してどうしようもなかった時に欲しかった居場所でした。
今、私がその居場所になっているのだとしたらこれ以上嬉しいことはありません。

そして9年目も、一緒に時間を積み重ねてもらえたら嬉しいです。

引き続き、はり灸サロン月花をどうぞ、どうぞよろしくお願いいたします。



はり灸サロン月花 鍼灸セラピスト 屋 由美

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