女性であることの生きづらさを描く漫画

月に一度の読書会。昨年より私が所属しているオンラインサロンで実施しているオンライン読書会に参加してきました。
毎回のことながら楽しい時間になりました。
ここ数ヶ月は夏休みということで、お休みの期間があり久しぶりの会。
今回読んだ本はこちら(漫画だったけど)

愛すべき娘たち よしながふみ
今、NHKで絶賛放送中の大奥の作者。そして、これまた『昨日何食べた?』セカンドシーズンのドラマが民放でも放送されています。まさしく、時の人。

漫画なのに、重厚感のあるお話。
なんと20年前の作品だそうで・・・今読むとよりわかるものがたくさんあり
以前にも読んだことがあるけど、その時は字が多いな・・・と思っていました。
今思うと、よしながふみ先生の漫画で私は『文字が多いのに我慢が出来るようになった』という所もあるかもしれません・・・。大人になったなぁ。笑
(以下、私の感想です。ネタバレ有ります)

愛すべき娘たちというように、このお話はたくさんの女性が少女、母、娘、妻でありその価値観を形成していく中で体験していく生きにくさや経験、職業観、生き方、姿勢、そして世間一般の目。が描かれています。
時代や主人公にある女性(時に男性)が入れ替わり、立ち代わり、そしてそこで描かれていく物の中に見えるフェミニズム。今放送中の漫画「大奥」でも描かれている物と同じテーマが現代の世の中でも書かれているな。と思いました。

望んだ訳でもないのに、この世に女性として生まれたというだけで苦しままくてはならない。という理不尽さ

・美しい(器量の良さ)

・可愛げ(愛想の良さ)

・懸命さ

・性格の良さ

こういうラベルに苦しくなりながら生きるということについて考えさせられます。同性だからこそ分かる目を背けたくなる価値観。
読書会に参加した人の中から『一冊の小説を読み終わったかのような疲労感がある漫画』と言われていましたが、本当にその通りで・・・。
自己肯定感を得られない物が何か
母親が抱える歪んだ認知(価値観)が子供に与える影響、そしてその影響によって生まれる新たな歪み。が描かれている漫画だと思いました。
フェミニズムは難しくて、苦手という女性もいると思います。(実際、今回読書会に参加した人もそう感じる人がいて)同性であっても自身の性別についての認知や価値観は違うよな。と改めて思いました。
私は、大学のときに女性学という授業をとっていてその時はまさにフェミニズムが盛んに言われていた時代だったと改めて思いました。
男女平等というけれども、そういうことはない。
専業主婦なんて
など今よりもっとずっと激しく議論が交わされていたように思います。
特にたけしのTVタックルなどの番組ではフェミニズムの教授と主婦の意見を戦わせるようなことを面白おかしくやっていた時代でした。(私も年を取ったのね・・・)その当時20歳そこらの女の子だった私はその女性同士が争う姿にかなり引きながらも、やはり戦わなくては!と思っていたように思います。
権利や主張は勝ち取る物。そのような価値観が根底にあったように思います。

40代半ばになって今、私が思うことは、争う必要があったのかな?ということ。
あるがままに生きるという事の難しさ、と同時に生きている。という今ここがある事実。
難しいけど、存在している。
この難しさ、生きにくさは自身の意識で変えられる。が今の私が感じる目下の結論です。

私が大学を卒業して、就職氷河期、会社にはただ可愛いだけでそれ以外を求められていない受付嬢がいたり、30歳になる前に結婚して寿退社をするのが普通。という風潮が色濃く残っていました。苦労して就職して、入ったら結婚を求められる。
持続可能とは違う新陳代謝を求められている世の中の不条理さを感じながら私は職を変わり、手に職を付けました。
間違いなく、これまでの数々の戦ってきた人の礎の上に私たちの価値観があるのだと思うと同時に全てが必要な戦いだったのだろうか・・・とも思うのです。
争わずとも築ける物もあるよね。そう思います。私はこの4話がとても好きなお話です。
ただ、幸せに生きてほしい。そう願う若い女性。
子供の頃に語った理想とは違う現実で、すごいと尊敬した人が叶えられなかった夢を他の誰かが叶えることを知ったとき、やっぱり救いはある世の中だと思うのです。

そして、この漫画は終始女性が主役。男性の大根のツマ的な扱いはそれはそれで愛おしく、こういう男性のおかげで歪みは起きるのだろうし、そして同時に救われるんだよな。と思いました。
読書会に参加すると、自分以外の人のどう読んだのかを聞くことが出来、本への愛情が深まります。

今回、私のもう一つの関心事として、男性の視点から見てこの本どうなんだろう・・・と思っていました。男性参加者がいてくれて、それぞれの感想はとても興味深かったです。フェミニズム視点で見ていた私とは異なり、男性は人としての性別を超えた視点で読むんだな。と思いました。
第2話についてどう思う?と参加した男性が参加していた女性陣に質問していました。第二話は話の主軸が男性の目線で語られている回で、この漫画が3話、4話に評価が集中している事と併せての質問がありました。
 私は女性が異性を好きになる。という所には自己肯定感が低いために起こる奉仕精神があるということを思いました。そして、男性が徐々にその自己肯定感が低い女性に関心が向くようになると、当人は自分の自己肯定感が上がりそうになる(自分を可愛らしいと認めてもらえそうになる)のを防ぐ為に別の人を好きになる。この側からみたら歪んだ価値観は私は割と理解できるのはもしかしたら女性だからかもしれないと思っています。自己肯定感を上げない為に無意識に次の人(自分に関心が向かない人)に興味が移っていってしまう事についてが実に良く描かれているな。と感じました。
男性が最初は容姿などの見た目で評価しているのに対して、徐々に内面やその子自身を見るようになっていきながら好きになっていく。だけど、結局その男性を好きな女の子は自分の足りないを意識するために男の人を求めているから、その人が自分を好きになってしまっては困るのです。
そしてこの女の子はこのままだと幸せになれない・・・。
歪んだ認知によって幸せになれない行動を取る女性を男性の視点から描くことでめんどくささがなくなるな。と改めて読んで思いました。
最後に男性が幸せに・・・というセリフがあるのですが、この幸せになってというのが著者のすべての女性へのメッセージなのかもと思いました。いやぁ、面白い!!
当時、この漫画が何に掲載されていたんだろう・・・と気になったりしたので調べてみたら『MELODY』に2002〜2003年に連載されていました。ウィキペディア様ありがとう・・・

来月はどんな本に出会えるのかしら?楽しみです。